薬剤師の将来性は?転職の際のポイントも解説!

転職

薬剤師は飽和状態だとかそのうち仕事そのものがなくなると言われているけど、このまま薬剤師を続けていても良いのかな?

転職しても将来性がないならなあ……。

アドバイザー
アドバイザー

何年も前から薬剤師には将来性がないと言われていますね。

しかし薬剤師という仕事自体に将来性がないかと言うと、一概にそうとも言えません。

これからの時代、薬剤師の方がどうすれば良いのか解説していきます!

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薬剤師の将来性は?職場別に解説!

国家資格であり、高い専門性をもって安定した収入を得ることができる薬剤師は人気職種の1つです。
しかし現在では「AIに代替されるかもしれない」など将来性が不安視されるような意見も出てきています。
果たして本当に薬剤師には将来性がないのでしょうか?

薬剤師と一口にいっても職場ごとに仕事もガラッと変わるので、職場別に見ていきましょう。

調剤薬局

薬剤師の代表的な就職先の1つが調剤薬局です。

現在はまだ売り手市場だと思いますが、将来的に調剤薬局で働く薬剤師の規模は減少傾向になると予想されます。
人口の減少による処方箋の減少や「0402通知」にて示された薬局事務員によって代替可能な業務が多くなったためです。
健康サポート薬局など、独自の専門性や特色を出していかなければ徐々に需要は減っていくことが予想されます。

ドラッグストア

ドラッグストアについては業界全体としていまだに成長し続けているカテゴリであり、将来性が明るいと言えます。
近年の新型コロナウイルスの蔓延によって、予防医療やセルフメディケーションに目を向けるようになった人も増えたと思います。
さらに調剤併設の店舗も増えており、勢力を拡大していることがうかがえます。営業時間も調剤薬局などに比べ長時間になるため、その分薬剤師の需要があると言えます。

病院

病院は病棟業務を中心に薬剤師の需要はまだ十分にあると言えます。
2020年の病院薬剤師数は55,948人で、2018年と比較すると3.3%増加しています。
「病棟薬剤業務実施加算」の影響もあり、病棟業務に従事する薬剤師を積極的に採用する病院が増えていったことが一因です。

専門性が高い業務が中心となり、薬剤師以外のスタッフでも行える業務については減っていくことが予想されます。
そのため、確かな経験や知識を備えて置くことが重要なポイントになると思われます。

参考:厚生労働省『平成30年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況』

製薬会社

製薬会社に関しては2018年の医薬品関連企業の従事者数は4万1,303人、2020年は3万9,044人と従事者数が減少傾向であり、将来性が危ぶまれるところではあります。
理由としては日本国内で新薬が出づらくなったことがあげられます。

また薬価改定による利益率の影響が大きいため、市場の規模は小さくなってしまうのではないかと予想されます。
現に外資系の製薬会社が日本での研究開発から撤退していたりするなどといった影響もあります。

参考:厚生労働省『令和2年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況』『平成30年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況』

薬剤師は飽和状態で将来性がないと言われてしまっている理由

「薬剤師は飽和状態で将来性がない」と言われてしまっている理由として、大きく分けて2つの理由が考えられます。

まず1つ目は薬剤師数の増加があげられます。
厚生労働省の『令和2年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況』によると、令和2年12 月31日現在における全国の届出「薬剤師数」は 32万1,982 人であるとされています。
これは前回(平成30年)調査と比較すると1万693人(3.4%)増加していることがわかります。

2つ目の理由が「薬局のDX化・AI技術の発達」です。
技術の発展により、各業界でAI化が進んでいます。これは専門職である薬剤師も例外ではないです。
臨機応変に柔軟な対応が求められる対人業務はAIによる代替は難しいと言えますが、受付業務やピッキングなどそれ以外の部分ではすでにロボットによる代替が行われている場所もあります。

これら2つの理由から、「飽和状態で将来性がない」という声が出てくるのだと思われます。

将来性のある薬剤師になるためのポイント

「飽和状態で将来性がない」と言われてしまっている薬剤師。
そんな状況の中で生き残っていくために将来性のある薬剤師になるにはどうしたら良いのでしょうか?
今後求められていくであろうポイントを様々な視点から見ていきましょう。

専門性を向上させ「認定薬剤師」になる

薬剤師の元々の強みである「専門性」を高めていくことが将来性を作っていく近道の1つかと思います。
その中でアピールしやすいのが各種「認定薬剤師」を取得することです。

現在ではがん専門や漢方専門など様々な分野の認定薬剤師の資格があるので、自らの得意を伸ばすような資格の取得は強みになっていくと考えられます。

マネジメントを経験し「管理薬剤師」になる

管理薬剤師とは、法律によって設置が定められている薬局各店舗の責任者、または拠点ごとの責任者のこと(製造業などの場合)です。

一般の薬剤師との違いとしては

  1. 管理業務
  2. 適正な使用のための情報提供義務
  3. 副作用情報の収集、報告等

といった業務が増えます。管理業務が行える薬剤師はどの職場でも重宝されます。

現在は管理薬剤師になるための要件として必須のものはありませんが、下記の通り推奨されている要件はあります。

原則として、管理者は薬局における実務経験が少なくとも5年あり、中立的かつ公共性のある 団体(公益社団法人薬剤師認定制度認証機構等)により認証を受けた制度又はそれら と同等の制度に基づいて認定された薬剤師であることが重要である。

引用元:「薬局開設者及び医薬品の販売業者の法令遵守に関するガイドライン」について

在宅医療のスキルを身につけておく

薬剤師がおこなう在宅医療とは自宅や施設などで生活する患者のもとに医薬品を届け、服薬指導や薬剤の管理をすることです。

高齢化社会の影響もあり、在宅にかかわる加算である「在宅患者訪問薬剤管理指導料」「居宅療養管理指導費」を算定する薬局は増えています。
今後も在宅医療の需要は増加していくと予想されるので、在宅医療のスキルを身に着けることで将来性をつけることができます。

コミュニケーション能力を磨いて「かかりつけ薬剤師」になる

将来性のある薬剤師像の1つとして、かかりつけ薬剤師があげられます。

かかりつけ薬剤師とは「薬による治療のこと、健康や介護に関することなどに豊富な知識と経験を持ち、患者さんや生活者のニーズに沿った相談に応じることができる薬剤師」のことです。
患者さんから指名を受けて担当していくことになるので、コミュニケーション能力が重要となってきます。

それだけでなく当該店舗での在籍期間など様々な算定要件がありますが、それをクリアしてかかりつけを担当できる薬剤師の将来は明るいといえます。

外国語能力の向上

外国語能力を高めて、スムーズに対応できるようになっておくことも将来性につながって行くと考えられます。
2022年1月1日現在、外国人住民の数は270万4,341人であり、外国の方ももちろん医療機関を利用することがあります。
薬局機能情報提供制度においても外国語対応の可否が示されています。
英語などの教育が進んでいっていますが、今後も外国語対応ができる人材は重宝されると予想されます。

参考:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数のポイント」

薬剤師が将来性を心配して転職する際の注意点

将来性が不安になり、転職をする際に注意すべき点を見ていきましょう。

短期間で転職を繰り返すのは避ける

これは薬剤師に限ったことではないですが、短期間で転職を繰り返すのは避けましょう。

転職を繰り返すことで

成果が出る前にすぐにやめてしまうのではないか?

なにか問題を抱えているのではないか?

など、ネガティブなイメージを持たれてしまう可能性があります。
転職の回数の多さが必ずしも悪影響になるとは言い切れませんが、免許が必要となる専門職で転職をおこないやすい薬剤師だからこそ、慎重に転職をすることをおすすめします。

年齢が高くなればなるほど転職が難しくなることもある

専門職の薬剤師であっても、年齢が高くなればなるほど転職が難しくなる傾向にあります。
経験の豊富さを重視して採用する企業もありますが、転職できる選択肢が狭まってしまう可能性は否定できません。

そのため、将来性を考えた転職は早い段階でキャリア設計を考え、準備・行動していくことが重要です。

薬剤師の働く環境の変化について

AI技術の進歩やロボットによる業務の代替、薬価改定、調剤報酬改定など、薬剤師の働く環境は常に変化しています。
この先も環境の変化に対応して働いていくことが重要となります。項目を絞って環境の変化を掘り下げていきましょう。

登録販売者の需要が増加中

登録販売者の需要が増加しています。

最近ではコンビニエンスストアなどでも一般用医薬品が販売されているのを見かけるようになったかと思います。
その大きな理由として「販売店舗の営業時間の中で、半分以上はOTC医薬品販売の有資格者である薬剤師、もしくは登録販売者を常駐させなければならない」という、通称「2分の1ルール」が撤廃されたことがあげられます。
この「2分の1ルール」の撤廃により、幅広い業種が一般用医薬品の販売に乗り出しています。

他業種の新規参入が増えることによって、働く場が広がるため、総合的に見ると需要は増加しているといえます。

需要の増加に比例するような形で、2021年度の登録販売者試験の受験者数は延べ61,070人と、受験者数は増加傾向にあります。

参考:厚生労働省「これまでの登録販売者試験実施状況等について

6年制薬学教育施行による変化

2006年度より制度が変更となり、薬剤師になるための薬学教育の修業年限が4年から6年に変更となりました。
修行年限の延長によって、教育カリキュラム・実務実習を充実させ、「医療人としての薬剤師」が誕生しています。
医療人としてコミュニケーション能力や問題解決力、問題思考力などを持った人材が増えてきています。

今後もさらにコアカリキュラムが洗練されることで様々な環境で活躍できる薬剤師が増えていくと予想されます。

育児休暇や時短勤務など普及し始めている

令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況によると、女性の薬剤師数は197,740 人(総数の61.4%)となっており、女性のほうが多いです。
近年、育児休暇・時短勤務などの福利厚生を強化している企業が多くなり、制度の普及が進んでいます。

くるみんマークというものをご存じでしょうか?
くるみんマークとは、「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証です。
近年、医療業界でも取得している企業が増えており、職場の環境がよくなっていることがわかります。

参考:厚生労働省『令和2年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況』

ファーマシーテクニシャン制度

ファーマシーテクニシャンとは、薬剤師の指示に基づいて医薬品のピッキングなどの調剤業務の一部を補助する役割のことで「調剤助手」「調剤補助員」などと呼ばれることがあります。
日本ではまだ該当する資格等はありませんが、厚生労働省「調剤業務のあり方について」という通知にて、非薬剤師が行ってよい業務の線引きがされました。

この通知によって、薬剤師の対物業務への負担を減らし、対人業務の強化が求められるようになったと言えます。

薬剤師しかできない仕事と将来なくなる仕事の違い

薬剤師と将来性について様々な視点から見てきました。AIの発展や様々な環境変化があっても薬剤師にしかできない仕事と、将来なくなっていく可能性が高い仕事を整理してみましょう。

薬剤師にしかできない仕事

  • 服薬指導などの対人業務
  • 患者の健康管理
  • 調剤薬の鑑査
  • 処方鑑査

将来なくなる可能性が高い仕事

  • ピッキングによる薬の取り揃え
  • 在庫管理
  • 受付業務

薬剤師にしかできない仕事の練度を高めて、将来性のある薬剤師を目指しましょう。

薬剤師の転職市場について

薬剤師の転職市場については、いまだに「売り手市場」であるということは変わりありません。
しかし、薬剤師の資格だけでなく個々のスキルや人柄などがより重要視され「資格さえあればいつでも転職できる」「どこにでも転職できる」という時代では無くなりつつあります。

有効求人倍率は低下傾向

有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合のことです。イメージとしては有効求人倍率が10であれば、薬剤師1人が転職先を探したときに、約10カ所から求人が出ており、その中から選べるようなイメージです。

2018年3月の医師、薬剤師等の有効求人倍率は5.35でしたが、2022年3月の医師、薬剤師等の有効求人倍率は2.03となっています。
このように、有効求人倍率は低下傾向にあります。

参考:厚生労働省「一般職業紹介状況」

地方では薬剤師が不足している

供給過多といわれている薬剤師ですが、地方では薬剤師が不足しているところもあります。
2020年における人口10万人あたりの薬剤師の全国平均数は198.6人となっています。
その平均を大きく超えているのは、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県などといった主要都市部が多いことが分かっています。

薬剤師の人数が平均を超えているのは11都道府県にとどまっており、地方では薬剤師が不足している現状が見えてきます。
また同じ都道府県内でも政令指定都市に人数が集中しているケースが多いため、数値の見た目以上に地方では薬剤師不足が蔓延していると言えます。

セルフメディケーションによる薬剤師の必要性

セルフメディケーションとは「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義されています。

平均寿命の延伸や医療費のひっ迫などといった時代背景に伴って、セルフメディケーションの重要性が高まっています。
セルフメディケーションをうまく行っていくために、重要な存在の1つに薬剤師があげられます。

調剤薬局の薬剤師であれば「かかりつけ薬剤師」になり、健康相談を受けて手助けをすることが求められます。
医療従事者として身近で声がかけやすい存在として、ドラッグストアで勤務する薬剤師を思いうかべる方もいるでしょう。

体質や飲み合わせを考慮してアドバイスできる薬剤師はセルフメディケーションのサポート役としてうってつけの存在となるでしょう。

まとめ

  • 薬剤師の人数やAI技術の発達から、薬剤師という仕事には将来性がないと言われている。
  • しかし地方では薬剤師が不足しているのが現状であり、すぐに薬剤師という仕事がなくなる可能性は低い。
  • 薬剤師の資格があればいつでも転職できるという時代は終わっているので、AIではなく人間にしかできない仕事の連弩を高めることが長く薬剤師を続ける上で重要になる。

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