薬剤師はやめとけと言われる理由５選｜ならなきゃよかったと後悔したときはどうする？

薬剤師と言えば、国家資格を取得した人が慣れる由緒正しい専門職です。しかしながら、現役で働いている薬剤師のなかには

と後悔している人もいるようです。
実際のところ、権威ある職業であるにもかかわらず、どうしてやめとけばよかったと思うのでしょうか？

この記事では、薬剤師はやめとけと言われる理由を紹介しています。
また、「ならなきゃよかったと後悔したときはどうする？」という疑問にも言及しているので、薬剤師として働いている人や、これから働こうと考えている人たちは参考にしてみてください。

薬剤師はやめとけと言われる理由５選

さて、一部の人が「薬剤師はやめとけ」と言うのは、どうしてなのでしょうか？

一概には言えませんが、ここでは大きく５つの視点から薬剤師にならないほうがよいと言われる理由を説明してきます。

理由１ 残業が多い場合がある

第１に、薬局によっては残業が多い職場があります。

例えば、門前薬局では医院の終了時間に合わせて営業していますが、閉店時間ギリギリに患者さんが来るときは提示を過ぎることも珍しくありません。
その後に薬歴の記入があることを踏まえると、残業が増えやすいと言えます。

なかには、家に持ち帰ってサービス残業をせざるを得ない状況も生まれている薬局もあるようです。
当然、サービス残業は労働基準法に抵触する違法行為です。
けれども、人材不足の職場である場合、状況を簡単に改善できないのが現実なのです。

理由２ 薬剤師になるまでお金がかかる

第２に、薬剤師になるまでお金がかかることが挙げられます。

具体的に言えば、薬学部の学費は６年間で国立が約350万円、私立大学で約1200万円です。
さらに、実家を出てひとり暮らしを始める場合、そこに家賃などの生活費が上乗せされます。
その意味では、経済的に余裕がないと取得するのが大変と評価できるでしょう。

また、薬剤師は開業しない限り、医師と比較して収入が上がりづらい構造を持っているので、費用対効果の観点から割りに合わないと感じる人たちもいます。

理由３ 大手の薬局やドラッグストアは転勤が多い

第３に、全国展開している薬局やドラッグストアに勤める場合、転勤が多いのもやめとけと言われる理由です。

特に、地域によっては薬剤師が不足している店舗もあるため、自分が想像もしない僻地に飛ばされてしまうおそれがあります。せっかく住み慣れたと思ったら、転勤になるので生活の地盤が安定せずにストレスを感じる人たちもいるでしょう。

「知らなかった」とならないように、就職の条件として事前に確認しておくことをおすすめします。

理由４ 一人薬剤師をやらされることもある

第４に、人手不足が慢性化しているドラッグストアのなかには、一人で薬剤師をやらされる場所もあります。

なんと、一人で売上げの管理、発注、お客様の対応、品出しなど全ての業務を薬剤師ひとりでやらなければいけないのです。
加えて、調剤併設ドラッグストアで一人薬剤師になると、薬を用意する時にひとりで何度も確認してから患者さんに薬を渡すことになります。

実際、一人ではミスに気付きづらいですから、プレッシャーは相当大きくなることが予想されます。
近年では、遠隔で鑑査するシステムが導入されていますが、それでも一人で勤務するのは大変と言わざるを得ないでしょう。

理由５ 覚えることが多い

第５に、薬剤師は他の仕事と比べても覚えることが多いので、新しい知識を定期的にアップデートしないといけません。

新しい市販薬の誕生や法律の改正、医療機器の使い方など、薬剤師として働くには幅広い知識が必要になります。最近でも、診断用コロナウイルス感染症抗原検査キッドが薬剤師指導のもと販売できるようになったのは記憶に新しいと思います。

そのため、なかには、薬剤師の業務を負担の大きい仕事だと感じる人もいるでしょう。

薬剤師にならなきゃよかったと後悔したときはどうする？

それでは、いざ薬剤師として働きだしたものの「ならなきゃよかった」と悔やんだときは、どのように状況を改善すればよいのでしょうか？

結論から言えば、薬剤師の資格を活かしてもっと条件のよい職場に転職することをおすすめします。実のところ、薬剤師の働き方には複数の選択肢があります。

働き方の種類	給与の目安
病院・医院	300万円〜550万円
調剤薬局	400万円〜650万円
ドラッグストア	400万円〜700万円
MR（企業）	500万円〜800万円
CRA/臨床開発モニター（企業）	450万円〜700万円
創薬研究者（企業）	450万円〜750万円

それぞれの職場や働き方によって、給与や待遇が異なっています。
今の職場に不満を抱えているならば、思い切って環境を変えてみるのもよいでしょう。仕事の幅を広げていくことで、現在、働いている場所では気づけなかった薬剤師の魅力を実感できるはずです。

もちろん、資格に縛られずに全く別な分野に挑戦するのも選択肢のひとつです。
けれども、せっかく取得した薬剤師の国家資格はあなたの強みに他なりません。
見切りをつける前に、転職活動を通じて視野を広げてみてください。

薬剤師の忙しい勤務形態と休みの取りやすい勤務形態を紹介

薬剤師の業種も様々で、休みがとりやすい業種と取りにくい業種があります。

それについて見ていきましょう。

病院とドラッグストアは比較的忙しい

病院の中でも大学病院や、急性期対応のある基幹病院は夜勤や休日出勤もあり忙しい部類とされます。

病院の規模・機能で薬剤師の業務が大きく変わります。

ドラッグストアは土日祝が特に忙しく、連休の希望休が通らないこともあります。

さらに一人で管理していると、会社が3連休をくれると言っても業務が溜まってしまい、こちらから断ることもあります。

最近は夜遅くまでやっているドラッグストアもあり、利用者としては便利でありがたいのですが、働く側からすると、調剤の一人夜勤務は、夜間には人があまり来ないとされる場合にも、その時間帯に合わせた仕事が溜まっており、たまたま夜に患者さんがたくさん来てさらに限度額適用認定証の記載などがあるとそれに時間を取られることもあります。

製薬会社と派遣薬剤師は比較的休みがとりやすい

製薬会社の職種は様々です。

ここではMRと研究職についての説明です。

MRと研究職は基本的に土日は休みのようです。

有給消化率も良いとされます。

研究職はフレックス勤務制を取り入れている職場もあるようです。

派遣薬剤師は契約で事前に勤務時間や休日が決まっていて、契約通りの勤務で、残業もほぼなくきっちり休めます。

薬剤師が薬剤師がブラックな職場を選ばないためのポイント

ブラックな職場を選ばないためには採用側と現場の意見が一致している事が重要ではないかと思います。

現場の意見と採用側の意見の乖離には注意です。

面接時に就職予定場所の管理薬剤師が出席していることが望ましいです。

さらには、出来るだけ職場見学に行きましょう。

可能な限り、最も忙しい時間帯に行くのが良いでしょう。

現場の雰囲気は忙しい中でも和気あいあいと、かつ連携を取りテキパキ仕事をしているのか、忙しすぎて最悪な雰囲気の中仕事をしているのか。

無理に忙しい中で質問は避けた方が良いかもしれませんが、一つくらい質問をして、どのような回答が返ってくるか確認しても良いと思います。

忙しいので丁寧な回答は難しいかもしれませんが、断り方にも人柄が出ます。

実際文字で見る職場と、目で見る職場は異なります。

併せて、処方箋の内容や一包化の割合も教えてもらえれば確認しましょう。

1日50枚の処方箋応需でも、1枚が10種類で長期処方かつ一包化多しの処方箋と、1枚が3種類PTPのみの処方箋では負担が異なります。

大手の薬局と中小の薬局どちらがホワイト？メリットデメリットを解説

ブラックの基準は極端にきつかったり、違法でない限りそれぞれ感じ方に個人差があると思います。

ある人にはメリットがデメリットに、デメリットがメリットになるでしょう。

大手企業と中小企業のメリット・デメリットを見てみましょう。

大手薬局のメリット

大手の薬局は安定感があります。

基本的には倒産して無くなることはありません。

さらに店舗異動もあるので、自分に明らかな問題がない限り、もしも人間関係でうまくいかなくても、異動で改善される可能性があります。

大手薬局のデメリット

店舗数があるということはそれだけ人を必要とし異動が必要になる可能性があります。

また、社内の勉強会や研修に頻繁に行くこともあります。

さらに、企業が大きくなると、上層部との距離が遠くなり意思決定に時間がかかります。

ほか、文書主義で本部へ報告書を提出しなければならないことも多く、事務作業に時間を取られてしまう場合があります。

中小薬局のメリット

中小で働くメリットは、裁量権が自分にある場合が多いです。

比較的自由に物事をこなせます。

また社長との距離が近く、薬剤師としての意見が通りやすい場合も多いです。

人が少なければ、責任の所在が比較的わかりやすい点もメリットと言えるかもしれません。

さらに地域密着型薬局の場合、異動もなく済む場合があります。

中小薬局のデメリット

中小薬局のデメリットはお金がないところも多いです。

そのため機器の導入が遅れることもあります。

さらに店舗が1つしかないと人間関係に問題があった場合に、ずっと悩むかもしれません。

そして経営者がワンマンである場合、間違いの指摘を受け入れてもらえず、そのまま経営が行われる可能性があります。

また人手が不足していることも多く、研修がない、マニュアルが無いか店舗でバラバラ、人事評価をするが、人事評価をする人の人間性がそもそもおかしいので正しい人事評価ができないなどデメリットもあります。

薬剤師が今の職場が嫌なら転職を考えるべき

上司に相談して半年から1年職場環境が改善しない時は辞め時かもしれません。

そもそも上司に相談できないケースも転職を考えた方が良いでしょう。

また激務によって、すでに身体や心に支障をきたしている場合には、身体を休め転職を考えましょう。

業務によるストレスはもちろん、パワハラや人手不足など職場環境が改善されないのは問題です。

身体は仕事をする上でとても重要なのは言うまでもありません。

特に医療者は精神的・肉体的に充実していなくては医療ミスが増えることも考えられます。

 また、職場を退職するべきか1年程度悩み続けているのであれば、辞めるタイミングかもしれません。

継続的に辞めようと考えているということは職場に何らかの問題があり、問題が解決されずに辞めようか悩み続けることがストレスになってしまいます。

薬剤師はやめとけと言われる理由まとめ

薬剤師は給与水準の高い仕事ではありますが、その分大きな責任もあり、楽な仕事ではありません。

全ての仕事はある程度辛いものですが、今の職場で労働基準法違反や違法行為が改善されないのなら、ただ耐えているだけで状況が好転する可能性は低いため、転職することをおすすめします。